アソシエーション・フットボール(サッカー)

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アソシエーション・フットボール(サッカー、アソシエーション式フットボール、ア式蹴球)

アソシエーション・フットボールは、多くの国では単にフットボールと呼ばれ、国によってはサッカーの方がより一般的です。

歴史:

アソシエーション・フットボール(サッカー)のルールは元々、1863年にイギ​​リスのロンドンでフットボール・アソシエーション(FA:イングランド・サッカー協会)により制定されました。

最も古い大会は1872年にイングランド開催された第一回FAカップです。初めての公式な国際試合も1872年に行われました。グラスゴーでのスコットランドとイングランドの対戦は、スコアレスドローで終わりました。

初のリーグは、アストン・ヴィラのディレクターであるウィリアム・マクグレガーの呼び掛けで、1888年にイングランドのバーミンガムで形成されました。ミッドランドと北イングランドの12クラブがリーグに参加し、最初のリーグチャンピオンチームは同じシーズンにFAカップを勝ちとったプレストン・ノースエンドFCでした。女子サッカーは1920年代初頭にかけて非常に人気が高まり、イングランドでは時に5万人以上の観客を魅了しましたがその後、長い間衰退しました。英国は19世紀から20世紀にかけて世界の多くの地域で存在感を示し、ゲームを楽しんでいる間にアソシエーション・フットボール(サッカー)が地元の人々に受け入れられました。

組織:

アソシエーション・フットボール(サッカー)の世界的な統括団体であるFIFA(国際サッカー連盟)は1904年に設立され、スイスのチューリッヒに拠点を置いています。メンバーの協会は当初、ヨーロッパの8カ国のみでしたが、やがて200カ国以上に発展しました。

次のように、世界中でFIFAの傘下に6つの地域連盟があります。

AFC(アジアサッカー連盟)。

CAF(アフリカサッカー連盟)。

UEFA(欧州サッカー連盟)。

CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)。

OFC(オセアニアサッカー連盟)。

CONMEBOL(南米サッカー連盟)。

FIFAに加盟する211の国(地域)のサッカー協会があり、その数は国連加盟国の数を上回ります。

大会:

ワールドカップはFIFAによって4年ごとに組織されます。1930年にウルグアイで初のワールドカップが開催され、ウルグアイがアルゼンチンを破り最初の世界チャンピオンになりました。サッカーは1900年以降、夏季オリンピックでも行われています。女子サッカーは1996年にオリンピック種目に初めて選ばれました。

大陸の選手権、すなわち

アジアカップ(AFC)、

アフリカンカップ・オブ・ネイションズ(CAF)、

ヨーロピアン・チャンピオンシップ(UEFA)、

CONCACAFゴールドカップ(CONCACAF)、

OFCネーションズカップ(OFC)、

コパアメリカ(CONMEBOL)

は、4年毎に各大陸連盟により組織されています。6大陸の勝者はFIFAコンフェデレーションズカップに出場します。

各大陸には、クラブの大会があります。

アジア・チャンピオンズリーグ(AFC)、

アフリカ・チャンピオンズリーグ(CAF)、

ヨーロピアン・チャンピオンズリーグ(UEFA)、

CONCACAFチャンピオンズリーグ(CONCACAF)、

オセアニア・チャンピオンズリーグ(OFC)、

コパ・リベルタドーレス(CONMEBOL)

が毎年開催されます。これらの大陸クラブ大会の勝者はFIFAクラブワールドカップに参加します。

各国協会はそれぞれ国内リーグを組織しています。アソシエーション・フットボール(サッカー)の人気と得られるリソースにより、ヨーロッパは世界中から最高のサッカー選手の多くを獲得し、クラブサッカーの中心地であると言われています。特にスペインリーグ(ラ・リーガ)、イングランドリーグ(プレミアシップ)、ドイツリーグ(ブンデスリーガ)、イタリアリーグ(セリエA)、フランスリーグ(リーグ1)の5大リーグは影響力があり、世界中の多くの観衆を魅了しています。ブラジルリーグ(カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA)も、クラブは毎年、多くの優秀な選手をヨーロッパのリーグに手放していますが、非常に競争の激しい国内リーグです。

規則:

今日、競技規則はIFAB(国際サッカー評議会)によって統治されています。ルールは競技の創設時から見直され、更新されてきました。しかし、他の主なフットボールのコードと比較し、アソシエーション・フットボール(サッカー)が特徴的なのは、手と腕の最小限の使用法と制限された身体的な接触です。今日のルールによれば、フィールドプレーヤーはインプレー中に手や腕を使ってボールに触れることは出来ず、ゴールキーパーは自陣のペナルティエリア内でのみボールを手で扱うことができます。

標準的な大人のゲームは前後半それぞれ45分から成ります。最高レベルでは、試合ごとに数ゴールが見込まれ、得点なしで試合が終了することも珍しくありません。この性質は多くの試合を非常にタイトにし、観衆は小さなクラブがより大きなクラブを倒すという波乱を期待することが出来ます。

1チームは11人のプレーヤーで構成され、ピッチのどこにでも配置することが出来ます。ゴールキーパーは自陣ゴールマウスの近くにいる傾向があります。フィールドプレーヤーには、ディフェンダー(DF)、ミッドフィルダー(MF)、フォワード(FW)の3つの主なポジションカテゴリーがあります。これら3つのポジションカテゴリーの異なる特性を組み合わせたポジションもあります。例えば、アンカー(守備的ミッドフィールダー)とウィングバックはミッドフィールドとバックラインの間にとどまる傾向があります。攻撃ミッドフィルダーは前線とミッドフィールドの間を行き来する傾向があります。

チームが守備的か攻撃的にいくことを意識したいか等により、様々なタイプのプレーヤーや構成(システム)をゲームプランに従って採用することが可能です。

ボールは球形で、周囲の長さは68cm~70cm(27in~28in)、重さは410g~450g(14oz~16oz)です。

ピッチサイズはタッチライン90m~120m(100yd~130yd)、ゴールライン45m~90m(50yd~100yd)です。ゴールサイズは幅730cm(24ft)、高さ240cm(8ft)です。国際的な大人の試合のピッチの長さは100m~110m(110yd~120yd)の範囲で、幅は64m~75m(70yd~80yd)の範囲にあります。国際試合以外の試合のフィールドは、長さ90m〜120m(100yd〜130yd)、幅45m〜90m(50yd〜100yd)で、ピッチが正方形にならないようにします。

アソシエーション・フットボール(サッカー)の変種

ビーチサッカー

サッカーは長年、ビーチで気軽にプレーされてきました。BSWW(ビーチサッカー・ワールドワイド)が設立され、そのルールは1992年に成文化されました。各チームは5人のプレーヤーから成り、交代は無制限です。選手が履物を着用することは許されていません。ピッチは11人制のゲームよりはるかに小さく、砂は重く簡単にボールと足を止めます。ゴールは通常のサッカーのものより僅かに小さいです。プレーヤーは、ほぼどこからでもゴールを狙うことが出来ます。試合時間は12分の3ピリオドで構成されています。プレーヤーはスローインの代わりにキックインを選択することが出来ます。バイシクルキックを行う相手を妨害するのはファウルです。

ビーチサッカーの国際大会:

FIFAビーチサッカーワールドカップ。

インターコンチネンタルカップ。

BSWWムンディアリート。

ムンディアリート・デ・クルベス。

ペルシアン・ビーチサッカーカップ。

ビーチサッカーチャンピオンシップ(米国カリフォルニア州オーシャンサイド)。

ノースアメリカン・サンドサッカーチャンピオンシップ。

大陸連盟によるビーチサッカーの主な大会:

AFCビーチサッカーチャンピオンシップ。

CAFビーチサッカーチャンピオンシップ。

CONCACAFビーチサッカーチャンピオンシップ。

CONMEBOLビーチサッカーチャンピオンシップ。

OFCビーチサッカーチャンピオンシップ。

ユーロビーチサッカーカップ。

ユーロビーチサッカーリーグ。

UEFAビーチサッカーチャンピオンシップ。

BSWWユーロウイナーズカップ。

日本のビーチサッカー大会:

ビーチサッカー地域リーグチャンピオンシップ。

ビーチサッカーフェスティバル。

ザ・ビーチ選手権大会。

5人制サッカー

世界中に5人のチームでプレーする様々なフットボールのコード(規則体系)があります。

フットサル

フットサルという名前は、「フットボ―ル・サラ」(スペイン語)、「フットボール・デ・サロン」(スペイン語)、および「フッチボール・ジ・サロン」(ポルトガル語)に由来しています。利用可能なスペースとボールがサッカーより小さいため、フットサルはより技術志向の競技です。プレーヤーは、短いパスを素早く通し、足元でトリックを頻繁に見せます。このゲームで秀でるためには、プレーヤーはボールを上手く操り、想像力と遊び心のある発想を持つ必要があります。

規則:

交代は、チームが望むだけ何度でも、インプレー中の時でさえも行うことが出来ます。プレーヤーは、ゲーム中にコートに戻り、再びプレーすることが出来ます。選手が退場すると、2分後またはゴールが認められた時点で交代要員が入ることが出来ます。フットサルには、オフサイドルールがありません。1チームが前後半それぞれ6回以上ファウルを犯した場合、第二ペナルティキックが与えられます。プレーヤーはキックオフから直接得点することは出来ません。ゴールキーパーは手や足に関係なく4秒以内にボールをプレーする必要があります。各チームは、各ハーフ毎に1分のタイムアウトをとることが出来ます。ボールがコートを出た場合、リスタート方法はキックインです。

ボールのサイズは周囲62cm~64cm(24in~25in)、重量400g~440g(14oz~16oz)です。コートサイズは25m × 16m(82ft × 52ft)と42m × 25m(138ft × 82ft)の間です。ゴールサイズは3m(9.8ft)×2m(6.6ft)です。ハンドボールのフィールドは、フットサルに使用することが出来ます。

歴史:

フットサルは室内サッカーから発展し、特にラテンアメリカで人気になりました。 多くのローカルルールが存在し、1965年に南アメリカフットサル連盟(コンフェデラシオン・スダメリカナ・デ・フットボール・デ・サロン)が設立されました。1971年、ブラジルのサンパウロにFIFUSA(国際フットサル連盟)が設立され、1982年に世界選手権が開催されました。ブラジルは、最初の世界王者となり、現在もフットサルでの影響力があります。

サッカーの統括団体であるFIFAは、1980年代に独自のバージョンのフットサルのプロモーションを開始しました。 PANAFUTSAL(コンフェデラシオン・パンアメリカ・デ・フットボール・デ・サロン)が1990年代に設立され、その加盟国は2002年にAMF(アソシアシオン・ムンディアル・デ・フットサル)を設立しました。今日、フットサルは、FIFAとAMFの2つの国際統括団体があります。

スペインリーグ(リーガ・ナシオナル・デ・フットボール・サラ)は、世界最大の国内リーグと言われています。

フッチボール・ジ・サロン

フットサルは、ブラジル等、ポルトガル語で「フッチボール・ジ・サロン」と呼ばれます。 それはインドア・フットボールを意味し、異なるローカルルールがあります。

ミニフッボール

それは「ミニフットボール」を意味するフラマン語(オランダ語)の言葉です。ミニフッボールは5人制のフットボールで、1試合はそれぞれ13分のクオーターで構成されています。 ゴールサイズは幅250cm × 高さ100cmで、フットサルよりも小さいです。特にベルギーのオースト=フランデレン州とウェスト=フランデレン州の地域で人気があります。1968年に初めて大会が創設されました。

パピ・フット

コスタリカ等、中央アメリカでは、バスケットボール・コートでプレーされるフットボールをパピ・フットと呼びます。選手は、ゴールエリア内から得点する必要があります。

ミニフットボール(インドアサッカー )

インドアサッカーはアソシエーション・フットボールに基づいており、一般的には壁のあるアリーナの人工芝でプレーされます。タッチラインがなくボールが壁に跳ね返るため、スローインやキックインはゲームで使用されません。大抵はスライディングタックルが禁止されており、オフサイドのルールはありません。各リーグにより、規則は僅かに異なり、アイスホッケーやバスケットボールに影響を受けたルールもあります。

インドアサッカーはアメリカ、カナダ、メキシコ等の北米で人気があります。 主に屋内でプレーされるため、長い冬の間、大雪が地面を覆うアメリカとカナダの寒い地域で注目を集めました。

FIFRA(国際ファーストフットボール連盟)が、2008年にメキシコで設立され、2013年まで国際大会を開催しました。今日では、チェコを拠点とするWMF(世界ミニフットボール連盟)が国際的な統括団体です。2015年にワールドカップが開催され、アメリカがメキシコを破り勝者となりました。

ファイヴ・ア・サイド

アソシエーション・フットボールを基にしており、はるかに小さなピッチでプレーします。 壁やケージに囲まれている傾向があります。ペナルティエリアはアーチの形状をしています。ボールが壁を越えて行かない限り、ボールはインプレーのままであるため、ゲームはアウト・オブ・プレーなしに継続する傾向があります。精度がそれほど高くなくても、壁がボールを跳ね返します。したがって、テクニックというよりや、フィジカルとフィットネスで競われます。また、様々なローカルルールがあります。ファイヴ・ア・サイドは、英国で人気があります。

パラリンピック・サッカー

障害のあるプレーヤーに対応するため、ルールに一定の変更が行われています。ブラインドサッカーと脳性麻痺7人制サッカーは、パラリンピック・サッカー競技として広く認知されています。

ブラインドサッカー(視覚障害者5人制サッカー)

ブラインドサッカーのルールはフットサルに基づいています。視力障害のあるプレーヤーのための特別な配慮があります。フィールドプレーヤーは目隠しをする必要があります。 ゴールキーパーは、ハンディキャップのないプレーヤーが担うことができ、また目隠しを使用する必要もありません。

ボールが音を出すため、選手はボールがどこに行くのかを察知することが出来ます。ボールに近づく際、選手はスペイン語で「行く」ことを意味する「ボイ」とコールする必要があります。これにより、プレーヤー同士が偶発的に衝突するリスクが低減されます。コート脇から選手に指示を与えるガイドと呼ばれる役割があります。プレーヤーは判断をするために音を頼りにしているため、プレー中、観客は静寂を守るようにします。タッチラインが壁で囲まれており、ボールが簡単にラインを割らないようになっています。ブラインドサッカーは特別支援学校の授業として始まったと言われています。IBSA(国国際視覚障害者スポーツ連盟)は、世界選手権を主催しています。ブラインドサッカーはパラリンピックでも競技が行われます。

脳性麻痺7人制サッカー

脳性麻痺7人制サッカーはアソシエーション・フットボールに基づいた競技です。以前はパラリンピック競技種目に選ばれていました。1978年から2014年までの間、CPISRA(は国際脳性麻痺者スポーツ・レクリエーション協会)がこのスポーツを統括していました。ピッチサイズは70m ×50mと75m ×55mの間です。ゴールサイズは5m × 2mです。 オフサイドルールは適用されません。

アンプティサッカー(切断障害者サッカー)

アンプティサッカーでは、1チームは7人の選手です。そのうちの6人は下肢切断のある選手で、1人ゴールキーパーは上肢切断がある選手です。フィールドプレーヤーは義足を装着してプレーすることは許されず、替わりにロフストランドクラッチを使用し、動き回ります。ただし、両下腿切断者は義足を装着してプレーすることが出来ます。意図的にクラッチや残る肢によりボールをブロックまたはコントロールすると、ハンドボールのようにファウルです。ただし、意図的でないクラッチや残る肢によるボールコンタクトは罰せられません。クラッチがプレーヤーに向けて使用された場合、ペナルティキックがチームに与えられます。各チームは、試合中に2分間のタイムアウトをとることが出来ます。アンプティサッカーはオフサイドを適用しません。試合毎に許される交代は無制限です。ピッチサイズは70m x 60mです。ゴールサイズは幅500cm×高さ220cmです。1試合は前後半それぞれ25分で構成されています。

ろう者サッカー

聴覚障害者の競技は、試合中に補聴器や人工内耳を取り外す必要があるという、ただ1つの修正を加えて、一般的なアソシエーション・フットボールの規則またはフットサルの規則に従います。

ウィルチェアサッカー

ルールはアソシエーション・フットボールに基づいています。コートサイズはバスケットボールのものと同じです。ボールの直径はサッカーボールよりも大きいです。プレーヤーは車椅子を使用します。車椅子はモーターがある場合とない場合があります。電動車椅子を使用する者もいれば、手動で車椅子を動かす者もいます。選手が身体的に自身で動かすことができない場合、プッシャーが車椅子を動かすことが出来ます。プレーヤーの能力は、障害の程度によって異なります。リザーブ・ディヴィジョンにはゴールキーパーがいませんが、シニア・ディヴィジョンには、チームにゴールキーパーがいます。

2005年、7カ国(ベルギー、カナダ、イングランド、フランス、日本、ポルトガル、米国)の代表者が、フランスのル・シェネとポルトガルのコインブラで会議を開催し、国際電動車椅子サッカー協会を設立し、国際大会のルールを標準化しました。それは2006年に米国ジョージア州アトランタで最終決定され、組織の名前はFIPFA(国際電動車椅子サッカー連盟)に変更されました。

電動車椅子サッカー

ルールはアソシエーション・フットボールに基づいており、ウィルチェアサッカーとの主な違いは、全ての選手が、動き回りスピンキックするために、車輪4つ以上とフットガードを装備した電動車椅子を使用する必要があるということです。安全のためにラップベルトを必要とします。走行速度が時速10 kmを超えることは許されません。1試合は前後半それぞれ20分から成ります。コートサイズはバスケットボールと同じです。各チームはゴールキーパーを含む4人のプレーヤーで構成されています。ボールのサイズは大きく、その直径は13インチ(330 mm)です。これはボールが車椅子の下に入るのを防ぎ、安全を確保するためです。

「2オン1」と「3インゴールエリア」というルールは、ボールの周りに人為的なスペースを作り出します。これは、アソシエーション・フットボールとの大きな違いです。ボールがタッチラインを割った際のリスタート方法はキックインです。プレーヤーはキックインから直接ゴールを決めることが出来ます。意図的に他のプレーヤーに衝突することは許されません。2006年の設立以来、フランスのパリを拠点とするFIPFA(国際電動車椅子サッカー連盟)が、この競技を統括しています。最初のパワーチェアフットボール・ワールドカップは2007年10月に日本の東京で開催され、米国がフランスをペナルティキック合戦で倒し、最初の世界チャンピオンになりました。

ストリートサッカー

ストリートサッカーはフットボールの非公式なゲームです。選手の数、ピッチの大きさ、ゴールの大きさが小さい傾向があるため、アソシエーション・フットボールよりもフットサルに似ているように見えるかもしれません。ピッチサイズとゴールサイズは、プレーヤーが路上で利用可能なスペースを使用するため、様々です。しっかりとしたフィールドのマークもない場合があります。これらはカジュアルなゲームのためプレーヤーは勝つ責任が少なく、トリッキーなテクニックをより頻繁に見せる傾向があります。多くのプロ選手が実際に子供の頃に路上でサッカーを始め、想像力豊かなパフォーマンスを会得しました。ストリートサッカーは、小さな子供たちを育成する素晴らしい方法です。世界中の団体が独自のルールを設定し、ストリートサッカーの大会を開催しています。「パナ・ノックアウト」等の1対1のルールもあります。スポーツブランドは時折、広告にストリートフットボールを使用します。EA(エレクトロニック・アーツ)は「FIFAストリート」と呼ばれるストリートサッカーのゲームをリリースしています。ストリートサッカーはストリートフットボールとも呼ばれます。

ラッシュ・ゴーリー

ラッシュ・ゴーリーは、非公式のゲームにしばしば使用されるルールです。1人のプレーヤーがゴールキーパーの役割を担うのではなく、複数のプレーヤーがゴールマウスに入って腕で守った後、再びフィールドに出ていきます。チームに専任のゴールキーパーがおらず、誰もがフィールドプレーに関わりたいと希望する場合、これが解決策になりえます。似ているバリエーションもあります。「ラストマンバック」は、「スパイダーゴールキーパー」や「モンキーラッシュ」とも呼ばれ、ゴールはあいていますが、チームが守備している際、ゴールに最も近いプレーヤーがボールを手で扱うことが出来ます。時に誰が最後の人であるのかが不透明な場合があります。そこで、「ネッツ」ルールが解決策になり得ます。ネッツでは、プレーヤーはボールを手で扱う前に「ネッツ」と叫ぶ必要があります。

アソシエーション・フットボールでは、フィールドプレーに積極的に関わり、その能力があるため、「スウィーパーキーパー」と呼ばれるゴールキーパーがいます。ラッシュゴールキーパーは公式ゲームでは許可されていませんが、そのプレースタイルは、ラッシュゴールキーパーと似ています。バックパスルールが導入されて以来、ゴールキーパーにも、フィールドプレーヤーと同じように足でボールをコントロールするスキルが求められています。

ヘッダー・アンド・ボレー

ゴールキーパーを含む3人以上のプレーヤーが必要です。1人のプレーヤーがボールをクロスし、他のプレーヤーはヘッドとボレーで得点する選択肢があります。ヘッダー・アンド・ボレーは、ケージレイジ、クラウクーム・ルール、グーマとしても知られています。

ウォーキング・サッカー(ウォーキング・フットボール)

ウォーキング・サッカーは、2011年にチェスターフィールドFCで最初にプレーされ、英国中で注目を集めました。屋外でも屋内でもプレー出来ます。スライディングタックルを含む身体的な接触は許されません。ボールを空中高くにキックすることは出来ません。ウォーキング・サッカーでは、選手が歩き続けるにつれて怪我のリスクが減少し、循環器系の健康が増進します。プレーヤーは走ることが許されません。これは、活動的で健康を維持したいシニアの市民にとって理想的です。ピッチサイズは20 x 15ヤードから40 x 30ヤードの間の必要があります。

カニサッカー

カニサッカーは、一般的なサッカーボールや大きなボールでプレーすることが出来ます。 プレーヤーは体を支えて動き回るために地面に手を置く必要があります。これがカニのように見えるため、カニウォーキングと呼ばれます。フィールドプレーヤーが、二足で立ち上がることは許されません。

スワンプ・サッカー(泥んこサッカー)

スワンプ・サッカーはアソシエーション・フットボールに基づいており、沼地や湿地でプレーします。表面がぬかるんで重いため、走り回ってボールを蹴るには大きな労力が必要です。元々は運動選手や兵士の訓練の方法でした。1998年にフィンランドで最初の主要な大会が行われました。

ジョーキーボール

ジョーキーボールは、長さ980cm(33ft)、幅480cm(16ft)、高さ270cm(9 ft)のケージで行う2対2のゲームです。プレーヤーは、壁を使ってボールを動かすことが出来ます。1987年に2オン3ジョーキーボールがフランスのリヨンで考案され、現在の形に発展しました。ボールはフェルトでできており、重さは200 g(7oz)で、サッカーやフットサルのボールよりもずっと小さいです。7ゴールの2セットに最初に到達したチームがゲームに勝利します。

バブルサッカー

バブルサッカーは、2011年にノルウェーで考案されました。プレーするのに娯楽的なスポーツで、観るのが楽しいため、その人気は、世界中に急速に広がりました。バブルサッカーでは、各プレーヤーは頭を含む上半身全体を覆う大きく膨らませたバブルを被っています。プレーヤーはお互いをクラッシュすることが許され、その結果、表面をコロコロとスピンします。しかし、プレーヤーはバブルでお互い守られているため、痛くありません。

スリーサイド・フットボール

スリーサイド・フットボールは、アソシエーション・フットボールに基づいており、大きな違いは1試合で一般的な2チームではなく3チームが同時にプレーするということです。ピッチの形状は六角形で、3つのゴールがあります。 3つのチームの中で最少失点のチームが試合に勝利します。コンセプトはデンマークのアーティスト、アスガー・ヨーンによって考案されました。1993年に英国ロンドンで初めてにプレーされました。デプトフォード・スリーサイド・フットボールクラブ(D3FC)が、発案から50周年を迎えた2012年に設立されました。これは2014年のデプトフォード3SFリーグ創設につながりました。2014年5月に国際スリーサイド・フットボール連盟とデンマークのミュージアム・ヨーンが協力し、3SFワールドカップが初めて開催されました。最終的にデンマークのシルケボーKFUMが最初の世界チャンピオンになりました。

ウェンブリー(ウェンボ、ノックアウツ)

プレーヤーはゴールを決めることによって次のラウンドに進むことが出来ます。得点したプレーヤーは、次のラウンドまでピッチ外で待機します。決勝戦は2人のプレーヤーで行われます。

リフティング(キーピー・アッピー、キープアップ)

プレーヤーは、腕や手は使わずに足、脚、胸、肩、頭などの体の部分を使用してボールを可能な限り空中に維持します。最高レベルの選手は、一日以上ボールをリフティングし続けることが出来ます。ボールをリフティングしながら約50kmの歩行を達成することが出来るプレーヤーもいます。ブラジル人サッカー選手のミレーネ・ドミンゲスは、リフティングを55,198回記録しました。リフティングは蹴鞠に似ています。

ワンバウンス

プレーヤーは、ボールを地面で1バウンドさせながらリフティングします。各プレーヤーは、ゲームで生き残るために3回まで失敗することが出来ます。

著者:長田拓也 Takuya Nagata. Amazon Profile

小説作家、クリエーター。ブラジルへサッカー留学し、リオデジャネイロにあるCFZ do Rio(Centro de Futebol Zico Sociedade Esportiva)でトレーニングに打ち込む。日本屈指のフットボールクラブ、浦和レッズ(浦和レッドダイヤモンズ)でサッカーを志し、欧州遠征。若くして引退し、単身イングランドに渡り、英国立大学UCAを卒業。スペイン等、欧州各地でジャーナリスト、フットボールコーチ、コンサルタント等、キャリアを積む。クリエーティヴ系やテクノロジー畑にも通じる。社会の発展に寄与するアート・ムーブメント『MINIЯISM』(ミニリズム)とナレッジハブ「The Minimalist」(ザ・ミニマリスト)をローンチ。ダイバーシティと平等な社会参加の精神を促進する世界初のコンペティティヴな混合フットボール「プロプルシヴ・フットボール」(プロボール)の創設者。『Football Game Sphere』(フットボール・ゲーム・スフィア)でも執筆。
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